コレクション: Street Side

90年代のストリートは、誰かに認められるためじゃなく、「自分が自分でいるため」に存在してた。流行なんて自分たちで作るものだったし、マニュアルなんてあえて無視してた。ファッションも、音楽も、スケートも、全部“我流”。誰かの真似なんかしてたら即ダサかった。自分の“芯”がない奴は、ストリートじゃ生き残れなかった。

原宿、渋谷、下北沢。路地裏に溜まるヤツらの目はギラついてた。学校も社会も信用してなかったけど、自分のスタイルだけは信じてた。着古したスウェット、破れたジーンズ、デカすぎるTシャツ。全部、自己表現。高価じゃなくても、ちゃんと“主張”があった。ブランドよりも、カルチャーを纏う感覚。

あの頃のストリートには、ヒリヒリするくらいの“切実さ”があった。大人に理解されなくて当然。というか、理解されることを望んでなかった。自分たちの世界は、自分たちだけで作る。それが誇りだった。ストリートは“反発”じゃなくて、“肯定”の場所だったんだよ。社会に「NO」と言いながら、自分には「YES」と言うための空間。

今のストリートは洗練されすぎて、ちょっと安全になりすぎた気もする。だけど、90年代のあの雑多なエネルギー、ちょっとダサくても魂むき出しだった感じ、俺はあれが好きだ。完璧じゃないから、真っ直ぐ響く。

ストリートは、本当は誰のものでもない。だからこそ、誰にでも開かれていた。ただし、“自分”を持ってるやつに限る。

Street Side